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相続人の一部が結婚資金を貰っていて不公平だ

相続人の一部が結婚資金を貰っていて不公平だ

Hさん(30代後半、独身女性)は、早くにお母さんを亡くしてしまい、お父さんと同居していました。しかし、お父さんが先日急逝されたため、思いが けず相続に直面することになりました。Hさんには、妹さんと弟さんが居たため、相続人は3人だったのですが相続財産の分配方法を巡って揉めてしまいまし た。

お父さんの相続財産を確認したところ、不動産以外に預貯金が500万円程度あり、不動産については売却して代金を分配することで話し合いがまとまったのですが、預貯金の分配が問題となりました。
というのも、預貯金は数年前までは900万円程度あったのですが、妹さんが数年前に結婚したときにお父さんが持参金や新居引越しのための費用として400万円を妹さんのために支出していたのです。

Hさんとしては、今後自分が結婚する時にお父さんが生きていれば、妹さんと同様に結婚資金を貰えただろうということと、妹さんが既に400万円も結婚資金を貰っておきながら500万円の預貯金を3等分することになるのでは不公平だと感じています。

(解決方法)

特別受益(民法903条)という制度があるため、妹さんが貰った結婚資金は相続財産の前渡しと考えて遺産分割を行うことができます。

特別受益とは、相続人の1人が、被相続人から結婚資金や生活資金の生前贈与や遺贈を受けている場合の利益をいいます。予め特定の相続人が利益を受けているときは、当該利益を相続財産に加算して相続分を計算した上で、当該利益を控除した金額が相続分となります。

本 件では、現にある預貯金500万円+妹さんが貰った結婚資金400万円の合計900万円が相続財産とみなし、Hさん、妹さん、弟さんが各300万円ずつ相 続できると考えた上で、妹さんは既に400万円を貰っているのでHさん、弟さんが各300万円ずつ相続することになります。
なお、預貯金は500万円しかないため、Hさんと弟さんが各300万円ずつ相続すると不足しますが、当該不足分を妹さんが返す必要はありません。但し、本 件では預貯金以外に不動産もあるため、不動産の売却金額を分配する時に不足している100万円を妹さんが既に貰ったと考えて計算することになります。