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遺留分減殺請求を行う

遺留分減殺請求を行う

遺留分とは、遺言が残っていた場合に遺言の内容にかかわらず取得できる相続財産の取り分のことです。例えば、被相続人(ご両親等)が亡くなった場合に、妻や子どもとして相続財産を取得できると思っていたのに、遺言によって愛人に全財産が贈与されたとしても、遺留分制度によって相続財産を取り戻すことができます。

遺留分を請求できる場合

遺留分の請求(「遺留分減殺請求」といいます。)ためには、一定の要件を満たす必要があります。

①遺留分を取り戻す権利があること

遺留分請求を行えるのは、法定相続人であることが前提となります。
配偶者(妻や夫)は必ず相続人になります。また、子ども、親、兄弟についても相続人となることが可能です。詳しくは法定相続人について解説したページをご参照下さい。

次に、遺留分減殺請求を行えるのは、法定相続人のうちでも、配偶者(妻や夫)、子ども、親までです(民法1028条本文)。兄弟姉妹には遺留分がないことについては注意が必要です。

②遺留分減殺請求の意思表示を行うこと

遺留分を取り戻すためには、自ら遺留分の請求を行う必要があります。
具体的には、相続財産を貰いすぎた者に対して、「自分には遺留分があるが、遺言は遺留分を侵害している。そのため遺留分減殺請求を行う」旨を通知する必要があります。

遺留分の割合・範囲

遺留分の割合は、以下のとおりとなります(民法1028条)。
・原則 法定相続分の1/2
・両親だけが相続人の場合 法定相続分の1/3

また、遺留分を計算するに当たって、被相続人が亡くなる1年以内の贈与又は1年以上前であっても遺留分を侵害することを知ってなされた贈与についても、遺留分の計算においては考慮されます(民法1030条)。

遺留分請求の期限

遺留分を請求することが出来るのは、自分の遺留分が侵害されていることを知ってから1年以内又は死亡から10年以内です(民法1042条)。

通常は、遺留分侵害を知るのは遺言書の内容を知った時ですが、裁判になった場合にいつ遺言内容を知ったかを証明することは困難です。従って、被相続人が死亡してから1年以内に遺留分請求を行う必要があります。

遺言の内容に疑問がある場合には、なるべく早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。

遺留分の請求の方法

遺留分を請求するためには、まずは遺留分減殺の意思表示を行う必要があります。しかし、相手方が必ず遺留分の返還に応じるとは限りません。

遺留分請求の方法としては、当事者間で交渉する、弁護士を通じて交渉する、調停を行う、訴訟を提起するの方法がありますが、いずれの場合でも遺留分についての正確な法的知識が必要となります。とくに遺留分の計算方法は難しいことから、当事者同士の交渉では遺留分の計算方法に誤解があるため話がまとまらないこともあります。

遺留分減殺請求を行って、相続財産について自己の正当な取り分を取得するためには、弁護士にご依頼されることを強くおすすめします。

遺留分の計算

遺留分の計算方法の概要について解説いたします。上記のとおり、遺留分の計算方法は非常に難しく、事案によって例外等もあるため、自分の事案について考えてみて疑問がある場合には必ず弁護士にご相談下さい。

遺留分の計算方法については、抽象的には「被相続人が相続開始の時に有していた財産全体の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに…遺留分の割合を乗じ、複数の遺留分権利者がいる場合は更に遺留分権利者それぞれの法定相続分の割合を乗じ、遺留分権利者がいわゆる特別受益財産を得ているときはその価額を控除して算定すべきものであり、遺留分の侵害額は、このようにして算定した遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産がある場合はその額を控除し、同人が負担すべき相続債務がある場合はその額を加算して算定するものである」とされています(最高裁平成8年11月26日判決)。

要するに、「(相続財産+生前贈与額-借金)×遺留分の割合-請求者が取得した財産+請求者が承継する債務」によって計算します。

なお、相続財産に不動産等が含まれている場合は、遺留分の返還を現物で行うか又は金銭で支払うかは遺留分を支払う側が選択します(民法1041条)。なお、金銭を支払う場合は不動産の価格をどの時点で計算するかが問題となりますが、支払う時点での不動産の時価が基準とされます(最高裁昭和51年8月30日判決)。